気道熱傷後に遅発性喉頭狭窄を認めた1 例

「はじめに」気道熱傷の急性期に, 喉頭浮腫のために気道管理を必要とすることは臨床において時に経験するが, 慢性期合併症に関する報告は多くない. しかし, 気道熱傷後, 遅発性に気道狭窄をきたし, 治療に難渋したケースの報告は以前より散見され, 熱傷による障害の特殊性が述べられている. 今回, われわれは気道熱傷後, 遅発性喉頭狭窄, 気管狭窄を生じた1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」「症例」: 24歳 男性「主訴」: 嗄声, 咳嗽「既往歴」: 火災受傷後に抑鬱状態「現病歴」: X年7月に自宅火災にて受傷. 近医病院に搬送され17%のII度熱傷を認めた. 同時に気道...

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Published in喉頭 Vol. 27; no. 2; pp. 120 - 124
Main Authors 井門, 謙太郎, 平川, 勝洋, 高本, 宗男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.12.2015
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.27.120

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Summary:「はじめに」気道熱傷の急性期に, 喉頭浮腫のために気道管理を必要とすることは臨床において時に経験するが, 慢性期合併症に関する報告は多くない. しかし, 気道熱傷後, 遅発性に気道狭窄をきたし, 治療に難渋したケースの報告は以前より散見され, 熱傷による障害の特殊性が述べられている. 今回, われわれは気道熱傷後, 遅発性喉頭狭窄, 気管狭窄を生じた1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」「症例」: 24歳 男性「主訴」: 嗄声, 咳嗽「既往歴」: 火災受傷後に抑鬱状態「現病歴」: X年7月に自宅火災にて受傷. 近医病院に搬送され17%のII度熱傷を認めた. 同時に気道熱傷による喉頭浮腫・呼吸不全も認めたため, 気管挿管された. 第10病日に全身状態, 喉頭浮腫が改善したため抜管するも嗄声と咳嗽が残存した. 声帯運動障害は認めず, 熱傷や挿管刺激によるものとして経過観察されていた.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.27.120