徐放性オキシコドン導入時の嘔気・嘔吐における患者リスク因子に関する検討

「緒言」日本において, 1980年代から死因の第一位はがんであり, 年間約30万人が死亡し, 総死亡の約30%を占めている. がんによる死亡者数は一貫して上昇を続け, 2020年には45~50万人に達すると推計されている(厚生労働省HP 2010年人口動態統計月報年計の概況). がん患者の約70~80%が疼痛治療を必要としていると考えられているが, WHO方式がん疼痛治療法に則って薬物療法を実施することで, 約70~90%の患者は効果的に痛みの軽減が得られることが明らかになっている. 1)WHO方式がん疼痛治療法は, 痛みの強さによって3段階に分けて鎮痛薬を使用するよう定められており, 中等度...

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Published in医療薬学 Vol. 39; no. 3; pp. 134 - 139
Main Authors 有吉, 貴美代, 北原, 隆志, 龍, 恵美, 高田, 正史, 宗像, 千恵, 能勢, 誠一, 宮永, 圭, 樋口, 則英, 北條, 美能留, 佐々木, 均
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.03.2013
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」日本において, 1980年代から死因の第一位はがんであり, 年間約30万人が死亡し, 総死亡の約30%を占めている. がんによる死亡者数は一貫して上昇を続け, 2020年には45~50万人に達すると推計されている(厚生労働省HP 2010年人口動態統計月報年計の概況). がん患者の約70~80%が疼痛治療を必要としていると考えられているが, WHO方式がん疼痛治療法に則って薬物療法を実施することで, 約70~90%の患者は効果的に痛みの軽減が得られることが明らかになっている. 1)WHO方式がん疼痛治療法は, 痛みの強さによって3段階に分けて鎮痛薬を使用するよう定められており, 中等度から高度の強さの痛みがある場合は, 強オピオイド鎮痛薬の投与を行うこととされている. がん疼痛治療において, オピオイド製剤は重要な位置を占めており, 日本において2003年に徐放性オキシコドン(R-Oxy)が上市されてから, オキシコドン製剤の消費量は年々増加し続けている. 1)
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.39.134