先天性水腎症における超音波診断の客観性の検討

【目的】 先天性水腎症を超音波検査(Ultrasound sonography:以下,US)で評価するさいの客観性について検討する。 【対象】 先天性腎盂尿管移行部狭窄症と診断された小児17名(男15名,女児2名,範囲0カ月∼110カ月,平均月齢21カ月)における合計31腎。 【方法】 順天堂大学医学部6年生と小児科医が同時にUSにおける水腎症の重症度評価を行った。そのさい,腎盂最大前後径 (Central echo complex; 以下,CEC) を計測するCEC計測法と胎児泌尿器科学会 (Society for Fetal Urology; 以下,SFU) が提唱した表記法 (以下,SF...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 14; no. 2; pp. 114 - 118
Main Authors 竹内, 梨江子, 川村, 理佐子, 大友, 義之, 山城, 雄一郎, 佐藤, 智幸, 吉川, 尚美, 原, 聡, 西崎, 直人, 金子, 一成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2001
日本小児腎臓病学会
Subjects
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ISSN0915-2245
1881-3933
DOI10.3165/jjpn.14.114

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Summary:【目的】 先天性水腎症を超音波検査(Ultrasound sonography:以下,US)で評価するさいの客観性について検討する。 【対象】 先天性腎盂尿管移行部狭窄症と診断された小児17名(男15名,女児2名,範囲0カ月∼110カ月,平均月齢21カ月)における合計31腎。 【方法】 順天堂大学医学部6年生と小児科医が同時にUSにおける水腎症の重症度評価を行った。そのさい,腎盂最大前後径 (Central echo complex; 以下,CEC) を計測するCEC計測法と胎児泌尿器科学会 (Society for Fetal Urology; 以下,SFU) が提唱した表記法 (以下,SFU分類法) による記載を行い,両者の結果を比較した。 【結果】(1) CEC計測法の計測値とSFU分類法のGradeはよく相関した (相関係数rs=0.943,危険率P<0.01)。 (2) CEC計測法でもSFU分類法でも医師と学生の判定は7割以上の例で完全一致した。 (3) 学生と医師の所見が全く異なる例は,CEC計測法で3.2%,SFU分類法で0.0%であった。 【結論】 SFU分類法は従来のCEC計測法と互換性があり,同等以上の客観性・迅速性も有する。したがって今後,先天性水腎症のUS評価にはSFU分類法を用いた方がよいと思われた。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.14.114