デキサメタゾンの投与量が乳がん患者に対するドセタキセルおよびシクロホスファミド療法の皮膚毒性に及ぼす影響

「緒言」乳がんに対する術後補助化学療法において, ドセタキセルおよびシクロホスファミド(TC)療法は, それまでの標準療法の1つであったドキソルビシンおよびシクロホスファミド(AC)療法と比較して, 無増悪生存期間および全生存期間を有意に改善することが報告されている. 現在, TC療法は, 海外において標準レジメンの1つに位置づけられており, 日本人を対象とした報告においても, 海外で使用される場合と同等の投与量で高い完遂率を示すことが報告されている. 従って, わが国においても, TC療法は高い有効性および忍容性を示すことから, 乳がんに対する補助化学療法として有望なレジメンであると考えられ...

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Published in医療薬学 Vol. 43; no. 6; pp. 313 - 319
Main Authors 北澤, 文章, 藤田, 佳史, 角, 陽子, 上田, 久美, 中山, 優子, 高良, 恒史, 国府, 孝敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.06.2017
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」乳がんに対する術後補助化学療法において, ドセタキセルおよびシクロホスファミド(TC)療法は, それまでの標準療法の1つであったドキソルビシンおよびシクロホスファミド(AC)療法と比較して, 無増悪生存期間および全生存期間を有意に改善することが報告されている. 現在, TC療法は, 海外において標準レジメンの1つに位置づけられており, 日本人を対象とした報告においても, 海外で使用される場合と同等の投与量で高い完遂率を示すことが報告されている. 従って, わが国においても, TC療法は高い有効性および忍容性を示すことから, 乳がんに対する補助化学療法として有望なレジメンであると考えられている. TC療法施行時には, 皮膚毒性の発現が特徴的であり, 皮疹が約40~80%の高頻度で発現することが明らかにされている. 皮膚毒性の重症度は比較的軽微であるが, 一部 Grade 3の重症例を示す場合も認められている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.43.313