隠匿情報検査時の自律系生理データ解析のための階層ベイズモデリング

自律神経系生理指標を用いた隠匿情報検査では,皮膚コンダクタンス,規準化脈波容積,心拍数,呼吸などが連続的に測定される。本研究では,これらの生理反応の時系列データを分析するための階層ベイズモデルを提案した。提案手法では,切断正規分布を持つ観測方程式と階層構造を持つ状態方程式からなる状態空間モデルを利用した。提案手法を167名の実験データに適用して,その有効性を示した。提案手法により,データの標準化を要する従来の統計分析では見過ごされていた元の測定単位での典型的な生理反応の大きさとその個人差の可視化が可能になった。本研究で構築した階層的状態空間モデルは様々な実験計画に容易に適用可能である。...

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Published in生理心理学と精神生理学 Vol. 41; no. 2; pp. 202 - 210
Main Authors 渋谷, 友祐, 常岡, 充子, 髙橋, 玲央, 小川, 時洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理心理学会 31.12.2023
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Summary:自律神経系生理指標を用いた隠匿情報検査では,皮膚コンダクタンス,規準化脈波容積,心拍数,呼吸などが連続的に測定される。本研究では,これらの生理反応の時系列データを分析するための階層ベイズモデルを提案した。提案手法では,切断正規分布を持つ観測方程式と階層構造を持つ状態方程式からなる状態空間モデルを利用した。提案手法を167名の実験データに適用して,その有効性を示した。提案手法により,データの標準化を要する従来の統計分析では見過ごされていた元の測定単位での典型的な生理反応の大きさとその個人差の可視化が可能になった。本研究で構築した階層的状態空間モデルは様々な実験計画に容易に適用可能である。
ISSN:0289-2405
2185-551X
DOI:10.5674/jjppp.2309tn