抗がん剤副作用情報の入手に関する経験と患者の服薬調節行動の関連性

「緒言」 薬剤師の服薬指導業務について定めた薬剤師法第二十五条の二に基づき, 通常患者は薬剤師から処方薬の情報提供をされている. 一方で, インターネットや書籍からの情報も処方薬に関する情報源となっていることが報告されている. さらに患者は, 医療者に副作用の相談ができず, 不安・疑問を持った場合はインターネットで情報を入手しているとする報告もある. がん治療における薬物療法は, 治療域が狭いため副作用が必発である. がん患者・経験者に行ったアンケート調査で, 抗がん剤の副作用が心配ごとの1つであり, 副作用の情報提供のニーズが2003年~2013年にかけて高まっていることが明らかにされた(h...

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Published in医療薬学 Vol. 46; no. 11; pp. 628 - 639
Main Authors 熊谷, 智樹, 小林, 典子, 渡邊, 伸一, 山浦, 克典, 藤本, 和子, 岩田, 紘樹, 林, 直子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.11.2020
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.46.628

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Summary:「緒言」 薬剤師の服薬指導業務について定めた薬剤師法第二十五条の二に基づき, 通常患者は薬剤師から処方薬の情報提供をされている. 一方で, インターネットや書籍からの情報も処方薬に関する情報源となっていることが報告されている. さらに患者は, 医療者に副作用の相談ができず, 不安・疑問を持った場合はインターネットで情報を入手しているとする報告もある. がん治療における薬物療法は, 治療域が狭いため副作用が必発である. がん患者・経験者に行ったアンケート調査で, 抗がん剤の副作用が心配ごとの1つであり, 副作用の情報提供のニーズが2003年~2013年にかけて高まっていることが明らかにされた(https://www.scchr.jp/cms/wp-content/uploads/2016/07/2013taikenkoe.pdf, 2020年4月24日). がん対策基本法では基本理念として, 「がん患者の置かれている状況に応じ, 患者本人の意向を十分尊重し, 治療方法等が選択されるようがん医療を提供する体制が整備されること」と定められている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.46.628