音声障害の治療における医師と言語聴覚士の連携 —言語聴覚士の立場から

「はじめに」 音声障害に対する治療には, 外科的治療, 薬物治療, 音声治療がある. このうち言語聴覚士(ST)が行うのが音声治療である. 音声障害における治療方針として, 音声治療を先行させ, その効果を見て外科的治療を検討する場合, 外科的治療後に残存した症状に対して音声治療を追加する場合, 薬物治療を先行させ, 効果がなければ音声治療や外科的治療を行う場合などがある. また, 外科的治療の適応であるが手術を希望しない場合にまず音声治療を行い, その治療経過で発声訓練とともにカウンセリングを行うことで, 外科的治療の希望をもつ患者もいる. 従って, 医師から言語聴覚士への一方通行の指示のみ...

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Published in喉頭 Vol. 33; no. 2; pp. 168 - 173
Main Authors 入谷, 啓介, 四宮, 弘隆, 岩城, 忍, 丹生, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.12.2021
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.33.168

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Summary:「はじめに」 音声障害に対する治療には, 外科的治療, 薬物治療, 音声治療がある. このうち言語聴覚士(ST)が行うのが音声治療である. 音声障害における治療方針として, 音声治療を先行させ, その効果を見て外科的治療を検討する場合, 外科的治療後に残存した症状に対して音声治療を追加する場合, 薬物治療を先行させ, 効果がなければ音声治療や外科的治療を行う場合などがある. また, 外科的治療の適応であるが手術を希望しない場合にまず音声治療を行い, その治療経過で発声訓練とともにカウンセリングを行うことで, 外科的治療の希望をもつ患者もいる. 従って, 医師から言語聴覚士への一方通行の指示のみではなく, 双方向での密な連携が必要である. 本稿では, 音声障害の治療におけるSTの役割および当院での医師とSTの連携に関する取り組みについて述べる. 「音声障害の治療におけるSTの役割」 音声障害の治療におけるSTの主な役割は音声治療である.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.33.168