術中経食道心エコーで重度の鎖骨下動脈狭窄を診断した冠動脈バイパス術の1症例

左内胸動脈は,長期の良好な開存性を有するため冠動脈バイパス術においてグラフトとして頻用される.鎖骨下動脈狭窄は,冠動脈バイパス術を受ける患者の0.2~6.8%に存在するとされ,その場合左内胸動脈グラフトの使用はcoronary-subclavian steal syndromeによる冠動脈虚血を起こす可能性があるため使用を避けるべきである.本症例では,麻酔導入後の経食道心エコーによる重度鎖骨下動脈狭窄の診断により,使用グラフトを変更し術後coronary-subclavian steal syndrome発生のリスクを回避できた.経食道心エコーは,鎖骨下動脈狭窄の診断・評価に有用な検査である....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 34; no. 4; pp. 500 - 504
Main Authors 山本, 匠, 蒲生, 正裕, 高森, 未奈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2014
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Summary:左内胸動脈は,長期の良好な開存性を有するため冠動脈バイパス術においてグラフトとして頻用される.鎖骨下動脈狭窄は,冠動脈バイパス術を受ける患者の0.2~6.8%に存在するとされ,その場合左内胸動脈グラフトの使用はcoronary-subclavian steal syndromeによる冠動脈虚血を起こす可能性があるため使用を避けるべきである.本症例では,麻酔導入後の経食道心エコーによる重度鎖骨下動脈狭窄の診断により,使用グラフトを変更し術後coronary-subclavian steal syndrome発生のリスクを回避できた.経食道心エコーは,鎖骨下動脈狭窄の診断・評価に有用な検査である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.34.500