気管支肺胞洗浄により診断しえた間質性肺炎合併肺癌術後の好酸球性肺炎の2例

背景.間質性肺炎合併肺癌の術後に好酸球肺炎を合併することは稀である.症例1.69歳,男性.間質性肺炎を有する右下葉肺癌に対して右下葉切除とリンパ節郭清を施行した.術後4日目にCTで両側の網状影を認め,BALを施行し,好酸球優位であった.その後,経過観察したが,術後9日目に再度呼吸状態の増悪を認め,ステロイド大量療法を行い,呼吸状態は著明に改善を認めた.症例2.66歳,男性.間質性肺炎を有する左上葉肺癌に対して消極的縮小手術として左上葉部分切除を施行した.術後12日目に労作時の呼吸困難感を自覚し,間質性肺炎増悪を疑いBALを施行し,好酸球優位の所見であった.ステロイドを開始し,徐々に酸素化は改善...

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Published in気管支学 Vol. 41; no. 2; pp. 133 - 138
Main Authors 篠原, 周一, 鬼塚, 貴光, 笠原, 千夏, 久賀, 孝郎, 伊藤, 浩, 松下, 明弘, 町田, 和彦, 松尾, 正樹, 菅谷, 将一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.03.2019
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:背景.間質性肺炎合併肺癌の術後に好酸球肺炎を合併することは稀である.症例1.69歳,男性.間質性肺炎を有する右下葉肺癌に対して右下葉切除とリンパ節郭清を施行した.術後4日目にCTで両側の網状影を認め,BALを施行し,好酸球優位であった.その後,経過観察したが,術後9日目に再度呼吸状態の増悪を認め,ステロイド大量療法を行い,呼吸状態は著明に改善を認めた.症例2.66歳,男性.間質性肺炎を有する左上葉肺癌に対して消極的縮小手術として左上葉部分切除を施行した.術後12日目に労作時の呼吸困難感を自覚し,間質性肺炎増悪を疑いBALを施行し,好酸球優位の所見であった.ステロイドを開始し,徐々に酸素化は改善した.結語.間質性肺炎合併肺癌術後に呼吸状態増悪を認め,間質性肺炎の増悪と鑑別を要した好酸球性肺炎の2例を経験した.呼吸状態増悪の原因診断においてBALが有用であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.41.2_133