経気管支肺生検後に肺野末梢で仮性動脈瘤が形成され気管支動脈塞栓術を行った1例

背景.経気管支肺生検(TBLB)による肺野末梢の仮性動脈瘤の形成は稀である.症例.45歳,女性.骨髄異形成症候群で入院中に胸部CTで右肺下葉のすりガラス影を指摘された.Graft-versus-host diseaseの肺病変や免疫不全の関与した気道感染が鑑別に挙がり,気管支鏡検査を行った.血小板数は1.4×104/μlと低下しており,濃厚血小板製剤を10単位輸血し,右B9aより気管支洗浄,TBLBを施行した.TBLB後にoozingを認めたが,止血を確認し手技を終了した.検査1週間後に血痰が出現し,SpO2の低下があり,胸部造影CTで右肺下葉S9に軟部濃度陰影,周囲のすりガラス影を認めた.そ...

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Published in気管支学 Vol. 42; no. 2; pp. 193 - 198
Main Authors 久末, 順子, 穴井, 諭, 原, 直彦, 福山, 聡, 髙尾, 智彬, 髙木, 陽一, 白石, 直孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.03.2020
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.42.2_193

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Summary:背景.経気管支肺生検(TBLB)による肺野末梢の仮性動脈瘤の形成は稀である.症例.45歳,女性.骨髄異形成症候群で入院中に胸部CTで右肺下葉のすりガラス影を指摘された.Graft-versus-host diseaseの肺病変や免疫不全の関与した気道感染が鑑別に挙がり,気管支鏡検査を行った.血小板数は1.4×104/μlと低下しており,濃厚血小板製剤を10単位輸血し,右B9aより気管支洗浄,TBLBを施行した.TBLB後にoozingを認めたが,止血を確認し手技を終了した.検査1週間後に血痰が出現し,SpO2の低下があり,胸部造影CTで右肺下葉S9に軟部濃度陰影,周囲のすりガラス影を認めた.その内部に約5 mmの限局性増強域を認め,TBLBにより生じた仮性動脈瘤と診断した.血痰が持続したため,気管支動脈塞栓術を施行した.その後血痰は消失し,呼吸状態も改善した.結語.血小板減少患者ではTBLB後に仮性動脈瘤を形成することがあり,検査終了後も慎重な経過観察が必要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.42.2_193