小児マイコプラズマ感染症の治療期間に影響を与える要因の探索

「緒言」 マイコプラズマ肺炎は, Mycoplasma pneumoniaeを原因とし発熱・咳・倦怠感・頭痛などを主症状とする呼吸器感染症である. 通常1~4週間の潜伏期間の後, 発熱に続いて咳が出現し, 解熱回復した後も咳が3~4週間続く場合がある. 全ての年齢層で感染のリスクがあるが感染症発生動向調査によると, 日本での罹患年齢は幼児期, 学童期, 青年期が中心と報告されている. 特に小学生から若年成人の肺炎は, 本菌が原因であることが多く, 小児科では発生頻度の高い感染症の1つと言える. マイコプラズマ肺炎の治療には, 非定型細菌に有効とされる抗菌薬が投与される. マクロライド感受性株に...

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Published in医療薬学 Vol. 41; no. 1; pp. 24 - 29
Main Authors 髙岡, 雄一, 本田, 勝亮, 鈴木, 理恵, 川村, 和美, 塩川, 満, 松林, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.01.2015
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.41.24

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Summary:「緒言」 マイコプラズマ肺炎は, Mycoplasma pneumoniaeを原因とし発熱・咳・倦怠感・頭痛などを主症状とする呼吸器感染症である. 通常1~4週間の潜伏期間の後, 発熱に続いて咳が出現し, 解熱回復した後も咳が3~4週間続く場合がある. 全ての年齢層で感染のリスクがあるが感染症発生動向調査によると, 日本での罹患年齢は幼児期, 学童期, 青年期が中心と報告されている. 特に小学生から若年成人の肺炎は, 本菌が原因であることが多く, 小児科では発生頻度の高い感染症の1つと言える. マイコプラズマ肺炎の治療には, 非定型細菌に有効とされる抗菌薬が投与される. マクロライド感受性株に対するマクロライド系薬の最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration: MIC)は極めて低く, 治療終了時には気道から除菌される. 一方, Mycoplasma pneumoniaeに対するキノロン系薬およびテトラサイクリン系薬のMICは比較的高く, 治療終了時には一部の症例で気道に菌が残り感染を広げる可能性がある.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.41.24