歯周組織恒常性維持の分子基盤研究-歯根膜特異的分子PLAP-1の解析

「はじめに」21世紀の初頭, ヒトゲノムの完全解読によりヒトゲノム計画は完了し, 現在, 生物学の世界はポストゲノム時代を迎えている. ポストゲノムにおいては, 技術革新の結果, 大規模な解析を短時間に効率よく行うことができ, トランスクリプトーム, プロテオームなど網羅的な発現解析や, バイオインフォマティックスを駆使した統計分析解析など様々な研究手法が確立されている. これまでの生命科学では, 生命現象を観察して, その原因や生物学的意義などを詳細に解析することにより, 分子・遺伝子レベルでの解明を試みるという「生命現象から分子構造へ」と解析を進める研究の方向性が主にとられてきた. その結...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 51; no. 1; pp. 19 - 26
Main Author 山田, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 2009
日本歯周病学会
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Summary:「はじめに」21世紀の初頭, ヒトゲノムの完全解読によりヒトゲノム計画は完了し, 現在, 生物学の世界はポストゲノム時代を迎えている. ポストゲノムにおいては, 技術革新の結果, 大規模な解析を短時間に効率よく行うことができ, トランスクリプトーム, プロテオームなど網羅的な発現解析や, バイオインフォマティックスを駆使した統計分析解析など様々な研究手法が確立されている. これまでの生命科学では, 生命現象を観察して, その原因や生物学的意義などを詳細に解析することにより, 分子・遺伝子レベルでの解明を試みるという「生命現象から分子構造へ」と解析を進める研究の方向性が主にとられてきた. その結果, 大きな研究成果が挙げられ, 生命科学はめざましい発展をとげている. 一方, ヒトゲノムの完全解読の結果, 個々の遺伝子・分子情報はもとより, 何千何万もの遺伝子・分子情報へのアクセスが可能となり, ゲノム本体の統合的・構造的研究はもとより, 個々の遺伝子・タンパク質の機能研究を行う際にも, 各研究者が研究の出発点としてゲノムの情報体系を利用することが可能となっている.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.51.019