腹腔鏡補助下に摘出した結腸カポジ肉腫様血管内皮腫の1例

「要旨」結腸カポジ肉腫様血管内皮腫 (Kaposiform Hemangioendothelioma, 以下KHE) はISSVA分類では中間悪性腫瘍に分類され, 増大するとKasabach-Merritt症候群の原因となるが, 消化管に発生することはまれである. 今回, 我々は下行結腸に発生した症例を経験した. 患児は5か月の男児. 生下時に特記すべき事項なし. 3か月時に血便が出現し前医を受診, 高度の貧血を指摘され出血源精査目的に当院小児科へ転院となった. 下部消化管内視鏡検査にて, 下行結腸にびらんと露出血管を伴った隆起性病変を認めた. 活動性の出血がないため, 当初保存的にみていたが...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 55; no. 4; pp. 886 - 889
Main Authors 永薮和也, 富山英紀, 内山和久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児外科学会 20.06.2019
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「要旨」結腸カポジ肉腫様血管内皮腫 (Kaposiform Hemangioendothelioma, 以下KHE) はISSVA分類では中間悪性腫瘍に分類され, 増大するとKasabach-Merritt症候群の原因となるが, 消化管に発生することはまれである. 今回, 我々は下行結腸に発生した症例を経験した. 患児は5か月の男児. 生下時に特記すべき事項なし. 3か月時に血便が出現し前医を受診, 高度の貧血を指摘され出血源精査目的に当院小児科へ転院となった. 下部消化管内視鏡検査にて, 下行結腸にびらんと露出血管を伴った隆起性病変を認めた. 活動性の出血がないため, 当初保存的にみていたが出血を繰り返すため粘膜下腫瘍の可能性も考慮し, 小児外科紹介・手術となった. 単孔式腹腔鏡下に下行結腸を授動し, 体外へ導出し腫瘍を摘出した. 術後経過に問題なく術後7日目に退院となった. 今後も局所再発がないかフォローアップが必要である.
ISSN:0288-609X
DOI:10.11164/jjsps.55.4_886