血管合併切除再建を伴う肝門部領域胆管癌の手術成績とその意義について

血管合併切除再建(VR)を伴う肝門部領域胆管癌(PHC)の手術成績から,VRの意義について検討を行った.対象は当科で根治切除を施行したPHC81例で,非血管合併切除41例(non-VR群),門脈合併切除28例(VR-PV群),肝動脈または動門脈合併切除12例(VR-HA群)の3群に分け検討した.術前CA19-9値は,non-VR群に比し,VR両群で有意に高値であった.術後合併症,在院死ともに3群間で有意差を認めなかった.病理診断では,VR両群で有意に進行例が多かったが,リンパ節転移率,R0切除率ともに3群間で有意差を認めなかった.疾患特異的5年生存率は,non-VR群42%,VR-PV群29%...

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Published in胆道 Vol. 33; no. 2; pp. 216 - 223
Main Authors 栗山, 直久, 臼井, 正信, 加藤, 宏之, 村田, 泰洋, 安積, 良紀, 岸和田, 昌之, 水野, 修吾, 伊佐地, 秀司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2019
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Summary:血管合併切除再建(VR)を伴う肝門部領域胆管癌(PHC)の手術成績から,VRの意義について検討を行った.対象は当科で根治切除を施行したPHC81例で,非血管合併切除41例(non-VR群),門脈合併切除28例(VR-PV群),肝動脈または動門脈合併切除12例(VR-HA群)の3群に分け検討した.術前CA19-9値は,non-VR群に比し,VR両群で有意に高値であった.術後合併症,在院死ともに3群間で有意差を認めなかった.病理診断では,VR両群で有意に進行例が多かったが,リンパ節転移率,R0切除率ともに3群間で有意差を認めなかった.疾患特異的5年生存率は,non-VR群42%,VR-PV群29%,VR-HA群25%と,VR両群で不良な傾向を認めたが,局所進行のため非切除(遠隔転移例を除く)となった症例(5%)に比べて有意に良好であり,血管合併切除をする意義はあると考えられる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.33.216