先天性眼振を呈した家族性先天性虹彩欠損症の1例

「緒言」先天性眼振の病因は1つではないと従来から考えられている1)2)が, その一部は中枢性の可能性3)4)が示唆されている. 視覚系の異常と関係が深いと言われている5)6)が, 視覚伝達系7)8), 視覚情報処理系9)のどちらの異常でも起こりうる事が報告されている. 白皮症と先天性眼振の関係は以前より知られている4)10)11)が, 白班症のうちでも眼白皮症と先天性眼振12)の合併の報告はきわめて多い. 眼白皮症と近い疾患として虹彩欠損症があるが, 今回, 最近経験した先天性眼振を呈した家族性先天性虹彩欠損症の1例を報告し, あわせて視覚系発生異常と先天性眼振の関連について考察する. 「症例...

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Published inEquilibrium Research Vol. 69; no. 2; pp. 76 - 79
Main Author 小崎, 寛子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 2010
日本めまい平衡医学会
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Summary:「緒言」先天性眼振の病因は1つではないと従来から考えられている1)2)が, その一部は中枢性の可能性3)4)が示唆されている. 視覚系の異常と関係が深いと言われている5)6)が, 視覚伝達系7)8), 視覚情報処理系9)のどちらの異常でも起こりうる事が報告されている. 白皮症と先天性眼振の関係は以前より知られている4)10)11)が, 白班症のうちでも眼白皮症と先天性眼振12)の合併の報告はきわめて多い. 眼白皮症と近い疾患として虹彩欠損症があるが, 今回, 最近経験した先天性眼振を呈した家族性先天性虹彩欠損症の1例を報告し, あわせて視覚系発生異常と先天性眼振の関連について考察する. 「症例提示」症例: 78歳男性. 主訴: ふらつき, 左耳閉感 既往歴: 糖尿病, 高血圧, 先天性虹彩欠損症, 肺未分化型腺癌に対し, 平成2年に左上葉切除施行. 直腸癌に対し, 平成14年に大腸部分切除術施行. 現病歴: 幼少時よりものがぼやけて見え, 視野が狭く, ふらつきやすく, 弱視であった.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.69.76