頸動脈内膜剥離術の合併症と長期予後

「はじめに」頸部内頸動脈の狭窄病変に対する内膜剥離術 (carotid endarterectomy, 以下CEA) は, 高度の狭窄による脳血流不全を改善したり, 塞栓源を除去することで, 一部の症例では, 内科的治療より優る脳梗塞の予防効果を有するとされている. 今後, 手術適応の決定をより洗練させることにより, より多くの効果を期待できると考えられる. しかし, 本術式に伴う合併症も決して少なくなく, なかでも脳虚血による合併症は予後に大きく影響するといわれている. 今回, われわれは, CEAを施行した症例について, 手術適応, 長期予後をあらためて検討するとともに, CEA術中に生じ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 22; no. 1; pp. 9 - 14
Main Authors 野村, 三起夫, 小岩, 光行, 上山, 博康, 阿部, 弘, 斎藤, 久壽, 宝金, 清博, 黒田, 敏, 三森, 研自, 柏葉, 武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1994
日本脳卒中の外科研究会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.22.1_9

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Summary:「はじめに」頸部内頸動脈の狭窄病変に対する内膜剥離術 (carotid endarterectomy, 以下CEA) は, 高度の狭窄による脳血流不全を改善したり, 塞栓源を除去することで, 一部の症例では, 内科的治療より優る脳梗塞の予防効果を有するとされている. 今後, 手術適応の決定をより洗練させることにより, より多くの効果を期待できると考えられる. しかし, 本術式に伴う合併症も決して少なくなく, なかでも脳虚血による合併症は予後に大きく影響するといわれている. 今回, われわれは, CEAを施行した症例について, 手術適応, 長期予後をあらためて検討するとともに, CEA術中に生じた脳虚血合併症の経験から, その原因と対策を検討したので報告する. 「対象, 方法」過去6年間 (1985年10月~1991年9月) に北海道大学脳神経外科および札幌市内の関連施設にて, 内頸動脈狭窄症に対して行われた63例73側のCEAを対象とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.22.1_9