腹腔鏡補助下膵頭十二指腸切除術の短期手術成績についての検討

【目的】腹腔鏡補助下膵頭十二指腸切除術(以下Lap-PD)の短期手術成績について検討を行った.【方法】Lap-PDを施行した4例(以下Lap-PD群)に対して,開腹PD 9例(以下Open-PD群)を対象として,後ろ向きに比較検討した.【結果】両群間に患者背景の差は認めなかった.Lap-PD群では出血量がOpen-PD群より有意に少なく,輸血を要した症例は1例も認めなかった.手術時間は,Lap-PD群で有意に延長していた.両群間での術後合併症発生頻度,程度に有意差は認めなかった.術後経過では,Lap-PD群で,排ガスまでの期間が1日程度早く,術後在院日数もやや短い傾向を認めた.【結論】Lap-...

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Published in膵臓 Vol. 29; no. 4; pp. 703 - 710
Main Authors 豊田, 英治, 土井, 隆一郎, 財間, 正純, 中川, 淳, 矢澤, 武史, 山本, 道宏, 原田, 英樹, 山本, 秀和, 石上, 俊一, 信藤, 由成, 井口, 公太, 岩本, 哲好
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2014
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Summary:【目的】腹腔鏡補助下膵頭十二指腸切除術(以下Lap-PD)の短期手術成績について検討を行った.【方法】Lap-PDを施行した4例(以下Lap-PD群)に対して,開腹PD 9例(以下Open-PD群)を対象として,後ろ向きに比較検討した.【結果】両群間に患者背景の差は認めなかった.Lap-PD群では出血量がOpen-PD群より有意に少なく,輸血を要した症例は1例も認めなかった.手術時間は,Lap-PD群で有意に延長していた.両群間での術後合併症発生頻度,程度に有意差は認めなかった.術後経過では,Lap-PD群で,排ガスまでの期間が1日程度早く,術後在院日数もやや短い傾向を認めた.【結論】Lap-PDは,術後合併症に関して認容可能であり,開腹手術と比較して術中出血量が有意に少なく,低侵襲術式であると考えられた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.29.703