クライオ生検で診断し得たT細胞性リンパ腫再発の1例

背景.悪性リンパ腫は時に肺病変を呈するが,経気管支肺生検では診断が困難な場合も多い.症例.40歳台女性.42歳時に非特異型末梢性T細胞性リンパ腫に対して化学療法で加療され,以後寛解を維持していた.2年後に湿性咳嗽が出現,CTで右肺下葉に浸潤影を認め抗菌薬で加療されたが改善に乏しく,当科に精査入院した.診断目的に右B8aからendobronchial ultrasound-guided transbronchial biopsy using guide sheath(EBUS-GS-TBB)及び経気管支クライオ生検を施行した.病理ではクライオ生検の検体のみに壊死組織中に腫瘍細胞を認め,免疫染色で...

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Published in気管支学 Vol. 42; no. 4; pp. 343 - 348
Main Authors 佐藤, 理子, 品川, 尚文, 辻, 康介, 松本, 宗大, 木村, 孔一, 鈴木, 雅, 米田, 和樹, 清水, 亜衣, 松野, 吉宏, 今野, 哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.07.2020
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:背景.悪性リンパ腫は時に肺病変を呈するが,経気管支肺生検では診断が困難な場合も多い.症例.40歳台女性.42歳時に非特異型末梢性T細胞性リンパ腫に対して化学療法で加療され,以後寛解を維持していた.2年後に湿性咳嗽が出現,CTで右肺下葉に浸潤影を認め抗菌薬で加療されたが改善に乏しく,当科に精査入院した.診断目的に右B8aからendobronchial ultrasound-guided transbronchial biopsy using guide sheath(EBUS-GS-TBB)及び経気管支クライオ生検を施行した.病理ではクライオ生検の検体のみに壊死組織中に腫瘍細胞を認め,免疫染色でCD3,Epstein-Barr virus-encoded small RNA-in situ hybridization(EBER-ISH)陽性であり,T細胞性リンパ腫再発と診断した.その後化学療法施行のため血液内科に転科した.結論.T細胞性リンパ腫の再発をクライオ生検で診断し得た症例を経験した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.42.4_343