カルシトニン遺伝子関連ペプチドの作用から考える術後痛モデルのメカニズム─炎症性疼痛モデルと比較して

手術による侵害刺激は,末梢神経から脊髄を介して中枢に伝達し,さまざまな部位から異なった痛みを生じる.適切な術後鎮痛を図ることは,患者の苦痛軽減,早期回復,遷延性術後痛の予防につながる.カルシトニン遺伝子関連ペプチドは,近年,痛みの伝達・修飾においてサブスタンスPよりも重要な役割を担っていると考えられるようになったが,これらペプチドの痛み修飾機構はいまだ不明な点が少なくない.本稿では,動物モデルを用いて術後痛のメカニズムを炎症性疼痛と比較して検討し,ペプチドの痛み修飾機構から術後痛について考えてみたい....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 38; no. 3; pp. 397 - 404
Main Authors 石田, 公美子, 川真田, 樹人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.05.2018
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.38.397

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Summary:手術による侵害刺激は,末梢神経から脊髄を介して中枢に伝達し,さまざまな部位から異なった痛みを生じる.適切な術後鎮痛を図ることは,患者の苦痛軽減,早期回復,遷延性術後痛の予防につながる.カルシトニン遺伝子関連ペプチドは,近年,痛みの伝達・修飾においてサブスタンスPよりも重要な役割を担っていると考えられるようになったが,これらペプチドの痛み修飾機構はいまだ不明な点が少なくない.本稿では,動物モデルを用いて術後痛のメカニズムを炎症性疼痛と比較して検討し,ペプチドの痛み修飾機構から術後痛について考えてみたい.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.38.397