閉塞性肥大型心筋症を合併した肘人工関節置換術患者に対する周術期管理の1症例

整形外科手術を予定した患者において,術前に閉塞性肥大型心筋症が判明し,心拍数のコントロールと左室流出路狭窄の緩和目的に8日間のβ遮断薬の内服投与(ビソプロロール2.5mg/day)を行った.経胸壁心エコーにて左室流出路狭窄が改善したことを確認し,β遮断薬の導入から9日目に全身麻酔と神経ブロックによって手術を施行した.術中は経食道心エコーによって左室流出路狭窄の程度の確認を行い,頻脈や低血圧を避けるよう麻酔管理を行った.麻酔科・整形外科・循環器内科で手術延期を決め,β遮断薬の投与による術前管理と円滑な術中管理を行うことができた症例を報告する....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 36; no. 2; pp. 152 - 157
Main Authors 中平, 淳子, 宮崎, 有, 尾野, 直美, 中野, 祥子, 南, 敏明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.03.2016
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.36.152

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Summary:整形外科手術を予定した患者において,術前に閉塞性肥大型心筋症が判明し,心拍数のコントロールと左室流出路狭窄の緩和目的に8日間のβ遮断薬の内服投与(ビソプロロール2.5mg/day)を行った.経胸壁心エコーにて左室流出路狭窄が改善したことを確認し,β遮断薬の導入から9日目に全身麻酔と神経ブロックによって手術を施行した.術中は経食道心エコーによって左室流出路狭窄の程度の確認を行い,頻脈や低血圧を避けるよう麻酔管理を行った.麻酔科・整形外科・循環器内科で手術延期を決め,β遮断薬の投与による術前管理と円滑な術中管理を行うことができた症例を報告する.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.152