開胸側での片肺換気を高頻度ジェット換気を用いて行った気管支腫瘍手術の1例

症例は69歳,女性.左主気管支と左上葉の2つの腫瘍に対し同時切除が予定された.外科チームの要請により,左側臥位で右胸腔からの左気管支形成術が行われた.左肺(非開胸側)での換気が不可能であった間,高頻度ジェット換気(high-frequency jet ventilation:HFJV)を用いて右(開胸側)片肺換気を約2時間行った.左側臥位での右片肺換気は酸素化と術野の点で不利であるにもかかわらず,良好な視野と最大421mmHgのPaO2が得られた.この症例では,両肺を有する患者においても,HFJVを用いることで上側肺での片肺換気が可能かもしれないことが示された....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 40; no. 7; pp. 577 - 582
Main Authors 清水, 雅子, 吉川, 範子, 堀田, 有沙, 中本, あい, 中新, 恭平, 大平, 直子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.11.2020
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.40.577

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Summary:症例は69歳,女性.左主気管支と左上葉の2つの腫瘍に対し同時切除が予定された.外科チームの要請により,左側臥位で右胸腔からの左気管支形成術が行われた.左肺(非開胸側)での換気が不可能であった間,高頻度ジェット換気(high-frequency jet ventilation:HFJV)を用いて右(開胸側)片肺換気を約2時間行った.左側臥位での右片肺換気は酸素化と術野の点で不利であるにもかかわらず,良好な視野と最大421mmHgのPaO2が得られた.この症例では,両肺を有する患者においても,HFJVを用いることで上側肺での片肺換気が可能かもしれないことが示された.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.40.577