胆嚢癌を原因とした胆嚢結腸瘻による膿瘍に対して大腸ステント留置が奏功した1例
症例は70歳代男性.胆嚢癌で化学療法中に胆道ステント閉塞による胆管炎で入院となった.CT上,胆嚢結腸瘻の合併があり,腫瘍と一塊となった膿瘍を形成し,内容はガスを伴う便汁様のものであったため胆管炎および膿瘍形成と診断した.横行結腸に胆嚢癌が浸潤し口側の内圧が上昇したことにより胆嚢結腸瘻を形成したと考え,胆道ドレナージを先行させその後に横行結腸に大腸ステントを留置し減圧を行った.膿瘍は消失し第20病日に自宅へ退院となった.生命予後を見込めない非切除進行胆嚢癌において,結腸浸潤に続発した内胆汁瘻に対する大腸ステント留置は,感染コントロールに対して治療の一つになり得ると考えられた....
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Published in | 胆道 Vol. 35; no. 1; pp. 100 - 105 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
31.03.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.35.100 |
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Summary: | 症例は70歳代男性.胆嚢癌で化学療法中に胆道ステント閉塞による胆管炎で入院となった.CT上,胆嚢結腸瘻の合併があり,腫瘍と一塊となった膿瘍を形成し,内容はガスを伴う便汁様のものであったため胆管炎および膿瘍形成と診断した.横行結腸に胆嚢癌が浸潤し口側の内圧が上昇したことにより胆嚢結腸瘻を形成したと考え,胆道ドレナージを先行させその後に横行結腸に大腸ステントを留置し減圧を行った.膿瘍は消失し第20病日に自宅へ退院となった.生命予後を見込めない非切除進行胆嚢癌において,結腸浸潤に続発した内胆汁瘻に対する大腸ステント留置は,感染コントロールに対して治療の一つになり得ると考えられた. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.35.100 |