ホルター心電図を用いたBrugada型心電図の自動検出

Brugada症候群の心電図は,coved型とsaddleback型のST上昇に分類される.リスク層別化のためにST上昇型の日内・日差変動の評価が重要である.今回,ホルター心電図からBrugada型心電図の自動検出が可能な解析装置を利用し,その有用性を検討した.対象は,ホルター心電図による心室遅延電位計測目的で当検査部に依頼があった連続39例〔Brugada症候群5例(男5例,47.6±10.9歳),その他34例(男19例,女15例,57.6±16.3歳)〕で,全例の3ch(X, Y, Z)双極誘導心電図を記録した.その結果,Brugada型心電図の検出にはZ誘導が優れていることが明らかになっ...

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Published in心電図 Vol. 31; no. 3; pp. 234 - 241
Main Authors 佐藤, 智明, 森兼, 啓太, 久保田, 功, 渡邉, 哲, 鈴木, 朋, 深瀬, さおり, 渡辺, 俊夫, 阿部, 宏美, 和田, 由美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2011
日本心電学会
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.31.234

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Summary:Brugada症候群の心電図は,coved型とsaddleback型のST上昇に分類される.リスク層別化のためにST上昇型の日内・日差変動の評価が重要である.今回,ホルター心電図からBrugada型心電図の自動検出が可能な解析装置を利用し,その有用性を検討した.対象は,ホルター心電図による心室遅延電位計測目的で当検査部に依頼があった連続39例〔Brugada症候群5例(男5例,47.6±10.9歳),その他34例(男19例,女15例,57.6±16.3歳)〕で,全例の3ch(X, Y, Z)双極誘導心電図を記録した.その結果,Brugada型心電図の検出にはZ誘導が優れていることが明らかになった.Brugada症候群ではcoved型およびsaddleback型ST上昇が検出されたものが3例,saddleback型ST上昇のみ検出されたものが1例,両者とも検出されなかったものが1例であった.その他,Brugada症候群以外で1例にsaddleback型ST上昇を認めた.ホルター心電図によるBrugada型ST上昇の自動検出は,日内変動を観察するのに有用であると考えられた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.31.234