閉塞性睡眠時無呼吸症候群を合併し周術期管理に難渋した内視鏡下経蝶形骨下垂体手術の1症例

【背景】内視鏡下経蝶形骨下垂体手術(eTSS)後は両側鼻腔パッキング(PNP)が必要であり口呼吸を余儀なくされる.われわれは閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)で経鼻的持続気道陽圧呼吸(nCPAP)導入中患者の周術期管理を経験した.【症例経過】50歳代,女性.BMI 38kg/m2.eTSSが予定された.麻酔導入時,挿管困難を認めた.手術室で抜管したが,術後出血によりCT室で意識障害から舌根沈下をきたした.高度の低酸素血症をきたし,長期入院を要した.【結語】本症例はnCPAP使用中のOSA・高度肥満患者であり,術後PNPが必要なことから,周術期の上気道閉塞のリスクが非常に高い.予防策としての経鼻...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 39; no. 4; pp. 377 - 380
Main Authors 浅野, 麻由, 菊池, 佳奈, 小山, 薫, 加藤, 崇央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.07.2019
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.39.377

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Summary:【背景】内視鏡下経蝶形骨下垂体手術(eTSS)後は両側鼻腔パッキング(PNP)が必要であり口呼吸を余儀なくされる.われわれは閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)で経鼻的持続気道陽圧呼吸(nCPAP)導入中患者の周術期管理を経験した.【症例経過】50歳代,女性.BMI 38kg/m2.eTSSが予定された.麻酔導入時,挿管困難を認めた.手術室で抜管したが,術後出血によりCT室で意識障害から舌根沈下をきたした.高度の低酸素血症をきたし,長期入院を要した.【結語】本症例はnCPAP使用中のOSA・高度肥満患者であり,術後PNPが必要なことから,周術期の上気道閉塞のリスクが非常に高い.予防策としての経鼻エアウェイの使用・有用性についても今後検討が必要である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.39.377