十二指腸副乳頭部神経内分泌腫瘍の1切除例

症例は64歳男性,検診の上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に隆起性病変を指摘された.精査にて粘膜下に限局する10mm大の副乳頭部腫瘍を疑うもEUS下穿刺吸引細胞診で確定診断には至らなかったため,内視鏡的副乳頭部切除術による切除生検を行った.病理組織診にてInsulinoma-associated 1(INSM1)陽性,核分裂像0/10HPF,Ki-67<1%で副乳頭部神経内分泌腫瘍(NET)G1の診断,筋層への浸潤と腫瘍細胞の断端露出を認めたため,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本は断端陰性,No.6,14,17bリンパ節への転移を認めた.副乳頭部NETは腫瘍径が小さくてもリン...

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Published in胆道 Vol. 34; no. 4; pp. 758 - 763
Main Authors 三浦, 史郎, 山下, 万平, 佐伯, 哲, 北里, 周, 黒木, 保, 三原, 裕美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.10.2020
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.34.758

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Summary:症例は64歳男性,検診の上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に隆起性病変を指摘された.精査にて粘膜下に限局する10mm大の副乳頭部腫瘍を疑うもEUS下穿刺吸引細胞診で確定診断には至らなかったため,内視鏡的副乳頭部切除術による切除生検を行った.病理組織診にてInsulinoma-associated 1(INSM1)陽性,核分裂像0/10HPF,Ki-67<1%で副乳頭部神経内分泌腫瘍(NET)G1の診断,筋層への浸潤と腫瘍細胞の断端露出を認めたため,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本は断端陰性,No.6,14,17bリンパ節への転移を認めた.副乳頭部NETは腫瘍径が小さくてもリンパ節転移を高率に認めるため,腫瘍径にかかわらず膵頭十二指腸切除術と標準的リンパ節郭清を基本とした術式が妥当である.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.34.758