全身麻酔覚醒時の循環動態に及ぼす塩酸ランジオロール持続投与の効果

• Published in: 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 29; no. 4; pp. 467 - 473
• Main Authors: 三村, 真一郎, 高田, 知季, 金丸, 哲也, 赤池, 達正, 加藤, 茂, 藤本, 久実子
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本臨床麻酔学会 2009
• Subjects: 塩酸ランジオロール; 心筋保護; 持続投与; 頻脈抑制; 麻酔覚醒時
• ISSN: 0285-4945; 1349-9149
• DOI: 10.2199/jjsca.29.467

塩酸ランジオロール (以下, ランジオロール) 持続投与が麻酔覚醒時の循環動態に及ぼす効果を検討した. 麻酔薬投与中止後にランジオロールまたは生理食塩水の持続投与を開始し, 心拍数, 血圧, RPP (Rate Pressure Product) の変化を気管チューブ抜去前後で測定した. ランジオロールの投与速度は0.01mg/kg/minと0.02mg/kg/minとした. ランジオロール投与群の心拍数とRPPは非投与群に比べて減少し, 効果は用量依存性であることが示唆された. 平均動脈圧については, 投与群と非投与群とで変化を認めなかった. ランジオロール持続投与は, 麻酔覚醒時の血圧を変化させずに頻脈発生を抑制することから, 心筋酸素需給バランスの悪化を予防することが示唆された.