遠位胆管原発神経内分泌腫瘍の1例

症例は63歳の男性で,近医での超音波検査にて膵頭部腫瘍を指摘され,精査加療目的に当院紹介となった.CTでは膵頭部に早期相で造影効果を受ける腫瘍を認め,ERCPでは遠位胆管内腔に突出する表面平滑な腫瘍を認めた.以上より,胆管内に突出する膵頭部神経内分泌腫瘍の術前診断にて,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査では胆管上皮下に異型細胞がリボン状,索状,小胞巣状に増生する像を認め,Chromogranin Aの発現を認めた.以上の所見より遠位胆管原発の神経内分泌腫瘍と診断した.術後経過は良好であり,術後約8年の現在,無再発生存中である.今回われわれは,まれな疾患である肝外胆管原発の...

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Published in胆道 Vol. 33; no. 5; pp. 878 - 883
Main Authors 河端, 悠介, 飯田, 健二郎, 岩間, 英明, 中正, 恵二, 波多野, 悦朗, 鈴村, 和大, 末岡, 英明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.12.2019
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.33.878

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Summary:症例は63歳の男性で,近医での超音波検査にて膵頭部腫瘍を指摘され,精査加療目的に当院紹介となった.CTでは膵頭部に早期相で造影効果を受ける腫瘍を認め,ERCPでは遠位胆管内腔に突出する表面平滑な腫瘍を認めた.以上より,胆管内に突出する膵頭部神経内分泌腫瘍の術前診断にて,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査では胆管上皮下に異型細胞がリボン状,索状,小胞巣状に増生する像を認め,Chromogranin Aの発現を認めた.以上の所見より遠位胆管原発の神経内分泌腫瘍と診断した.術後経過は良好であり,術後約8年の現在,無再発生存中である.今回われわれは,まれな疾患である肝外胆管原発の神経内分泌腫瘍の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.33.878