画像所見にて隔壁構造を示したガマ腫の1例

ガマ腫は口腔底に発生する粘液瘤を示す臨床的な用語であり, 唾液腺の粘液の溢出型と粘液貯留の2つに分けられ, 発生部位によって舌下型, 顎下型および舌・顎下型の3型に分けられる. 本症例は, 患者の希望により血管腫との鑑別診断を目的に, 各種画像診断を行った症例であり, その画像に興味ある所見がみられたのでその写真を供覧する. 患者は21歳の男性で, 初診は平成10年2月5日で左側顎下部の腫脹および疼痛を主訴に来院した. 約7~8年前より左側顎下部に腫脹と疼痛を生じ軽減, 増大を繰り返していた. 最近になって, 腫脹と疼痛が気になりだしてきたため, 近医を受診して本大学口腔外科に紹介され来院した...

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Published inShika Hoshasen Vol. 40; no. 3; pp. 212 - 213
Main Authors 江島, 堅一郎, 小宮山, 一雄, 寺門, 正巳, 荒木, 正夫, 澤田, 久仁彦, 橋本, 光二, 本田, 雅彦, 篠田, 宏司, 中田, 智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 2000
日本歯科放射線学会
Japanese Society for Oral and Maxillofacial Radiology
Subjects
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ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology1960.40.212

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Summary:ガマ腫は口腔底に発生する粘液瘤を示す臨床的な用語であり, 唾液腺の粘液の溢出型と粘液貯留の2つに分けられ, 発生部位によって舌下型, 顎下型および舌・顎下型の3型に分けられる. 本症例は, 患者の希望により血管腫との鑑別診断を目的に, 各種画像診断を行った症例であり, その画像に興味ある所見がみられたのでその写真を供覧する. 患者は21歳の男性で, 初診は平成10年2月5日で左側顎下部の腫脹および疼痛を主訴に来院した. 約7~8年前より左側顎下部に腫脹と疼痛を生じ軽減, 増大を繰り返していた. 最近になって, 腫脹と疼痛が気になりだしてきたため, 近医を受診して本大学口腔外科に紹介され来院した. 現在は疼痛はない. 初診時の左側顎下部の超音波診断像では境界明瞭で辺縁平滑な無エコー像を呈し, 嚢胞様病変を疑う所見が得られたためガマ腫と診断したが, 血管腫も否定できないこと, および病変の口腔底部での広がりを確認するため唾液腺造影, CT-sialographyおよびMRI検査を行った.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.40.212