2度目の麻酔管理で明らかになったアナフィラキシーショックの1例

80歳女性のくも膜下出血に対する緊急開頭クリッピング術時の全身麻酔導入後,血圧低下が見られたが皮膚症状を認めず,循環血液量減少性ショックと診断した.約2カ月後,水頭症に対する脳室-腹腔シャント術の全身麻酔導入後,重篤な血圧低下と全身の発赤を認め,アナフィラキシーショックと診断した.後に血清トリプターゼとヒスタミンの上昇とロクロニウムに対する皮膚プリックテスト陽性反応を確認した.重篤な低血圧時には,皮膚症状の有無に関わらずアナフィラキシーの可能性を考慮すべきである....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 37; no. 2; pp. 186 - 188
Main Authors 鈴木, 裕紀子, 松木, 悠佳, 安田, 善一, 髙倉, 康, 重見, 研司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.03.2017
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Summary:80歳女性のくも膜下出血に対する緊急開頭クリッピング術時の全身麻酔導入後,血圧低下が見られたが皮膚症状を認めず,循環血液量減少性ショックと診断した.約2カ月後,水頭症に対する脳室-腹腔シャント術の全身麻酔導入後,重篤な血圧低下と全身の発赤を認め,アナフィラキシーショックと診断した.後に血清トリプターゼとヒスタミンの上昇とロクロニウムに対する皮膚プリックテスト陽性反応を確認した.重篤な低血圧時には,皮膚症状の有無に関わらずアナフィラキシーの可能性を考慮すべきである.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.37.186