慢性剥離性歯肉炎を伴う中等度慢性歯周炎を有する患者の治療経過

歯周組織に生じる角化異常の一つに剥離性歯肉炎がある。剥離性歯肉炎は,歯肉の辺縁に慢性潰瘍,剥離性びらんと浮腫性紅斑が特徴的に現れる歯肉炎である。その病態本体は不明な点があり治療法の多くは対症療法が主体となるが,難治性として認められており,その報告例は少ない。本症例は強い疼痛のため口腔衛生が悪化していた慢性剥離性歯肉炎を伴う慢性歯周炎を有する患者に対し,テラ・コートリル軟膏®およびデキサルチン軟膏®を併用し口腔衛生の改善を図ることで良好な経過を辿っている。そこで我々は SPT より長期的に安定した経過を示している症例について報告する。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)54(2):183-192, 2...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 54; no. 2; pp. 183 - 192
Main Authors 伊藤, 弘, 五十嵐(武内), 寛子, 沼部, 幸博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.06.2012
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.54.183

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Summary:歯周組織に生じる角化異常の一つに剥離性歯肉炎がある。剥離性歯肉炎は,歯肉の辺縁に慢性潰瘍,剥離性びらんと浮腫性紅斑が特徴的に現れる歯肉炎である。その病態本体は不明な点があり治療法の多くは対症療法が主体となるが,難治性として認められており,その報告例は少ない。本症例は強い疼痛のため口腔衛生が悪化していた慢性剥離性歯肉炎を伴う慢性歯周炎を有する患者に対し,テラ・コートリル軟膏®およびデキサルチン軟膏®を併用し口腔衛生の改善を図ることで良好な経過を辿っている。そこで我々は SPT より長期的に安定した経過を示している症例について報告する。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)54(2):183-192, 2012
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.54.183