膵癌診療ガイドライン2013からみた膵癌化学療法の展望

膵癌診療ガイドラインは2013年に4年ぶりの改訂版が出版された.切除可能例に対する化学療法(補助療法)に関しては,JASPAC-01試験の結果をうけてS-1単独療法が推奨され,切除不能例に対する化学療法に関しては,PA.3試験の結果をうけてゲムシタビン塩酸塩+エルロチニブ併用療法が,GEST試験の結果をうけてS-1単独療法が,推奨に追加された.また切除不能例に関しては2014年にも改訂が行われ,PRODIGE 4/ACCORD 11試験の結果に基づきFOLFIRINOX療法の推奨が追加された.膵癌に対する化学療法は今後も有効な治療の開発が続くと予想されており,患者の予後のさらなる改善に寄与する...

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Published in膵臓 Vol. 29; no. 6; pp. 892 - 897
Main Authors 福冨, 晃, 奥坂, 拓志, 古瀬, 純司, 菅野, 敦, 山口, 幸二, 中村, 聡明, 木原, 康之, 上坂, 克彦, 中郡, 聡夫, 伊藤, 鉄英, 大東, 弘明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.12.2014
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.29.892

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Summary:膵癌診療ガイドラインは2013年に4年ぶりの改訂版が出版された.切除可能例に対する化学療法(補助療法)に関しては,JASPAC-01試験の結果をうけてS-1単独療法が推奨され,切除不能例に対する化学療法に関しては,PA.3試験の結果をうけてゲムシタビン塩酸塩+エルロチニブ併用療法が,GEST試験の結果をうけてS-1単独療法が,推奨に追加された.また切除不能例に関しては2014年にも改訂が行われ,PRODIGE 4/ACCORD 11試験の結果に基づきFOLFIRINOX療法の推奨が追加された.膵癌に対する化学療法は今後も有効な治療の開発が続くと予想されており,患者の予後のさらなる改善に寄与することが期待されている.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.29.892