経気管支鏡下クライオバイオプシーにて診断したrespiratory bronchiolitis-associated interstitial lung diseaseの1例
背景.Respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease(RB-ILD)の診断において,外科的肺生検を行わずに臨床診断がなされることがある.症例.30本/日×15年の現喫煙の33歳男性.検診の胸部X線にて異常陰影を指摘され,当院を紹介受診した.高分解能CTでは上葉優位の小葉中心性のすりガラス陰影を認め,血液検査では膠原病関連の各種自己抗体は陰性であり,KL-6,SP-Dの上昇は認めなかった.診断目的に右B3aおよびB8aより経気管支鏡下クライオバイオプシーを施行した.病理学的に,呼吸細気管支から肺胞管に含色素マクロファー...
Saved in:
Published in | 気管支学 Vol. 41; no. 3; pp. 273 - 277 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
25.05.2019
日本呼吸器内視鏡学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.41.3_273 |
Cover
Summary: | 背景.Respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease(RB-ILD)の診断において,外科的肺生検を行わずに臨床診断がなされることがある.症例.30本/日×15年の現喫煙の33歳男性.検診の胸部X線にて異常陰影を指摘され,当院を紹介受診した.高分解能CTでは上葉優位の小葉中心性のすりガラス陰影を認め,血液検査では膠原病関連の各種自己抗体は陰性であり,KL-6,SP-Dの上昇は認めなかった.診断目的に右B3aおよびB8aより経気管支鏡下クライオバイオプシーを施行した.病理学的に,呼吸細気管支から肺胞管に含色素マクロファージの出現と間質の軽度の線維性肥厚が見られ,respiratory bronchiolitisと診断し,病理所見,高分解能CT所見,咳嗽の臨床症状,喫煙歴から総合的にRB-ILDと診断した.結論.特発性間質性肺炎の診断にしばしば外科的肺生検が必要となるが,RB-ILDのように細気管支を中心に病変が見られる疾患では,経気管支鏡下クライオバイオプシーが診断に有用である可能性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.41.3_273 |