術後膵管吻合部閉塞に対するInterventional EUS
術後膵管吻合部閉塞は膵切除後に生じる合併症である.従来の内視鏡では治療困難であり,再手術も種々の問題を有していた.Interventional EUSによる膵管への応用は,これまでアプローチが困難であった膵管への治療が可能となり,その有用性が注目されている.その方法は,EUS-guided drainage technique(Drainage technique)とEUS-guided rendezvous technique(Rendezvous technique)に大別され,さらにDrainage techniqueには,消化管と膵管にステントを留置するPancreaticoenter...
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Published in | 膵臓 Vol. 30; no. 2; pp. 183 - 190 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本膵臓学会
2015
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Subjects | |
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Summary: | 術後膵管吻合部閉塞は膵切除後に生じる合併症である.従来の内視鏡では治療困難であり,再手術も種々の問題を有していた.Interventional EUSによる膵管への応用は,これまでアプローチが困難であった膵管への治療が可能となり,その有用性が注目されている.その方法は,EUS-guided drainage technique(Drainage technique)とEUS-guided rendezvous technique(Rendezvous technique)に大別され,さらにDrainage techniqueには,消化管と膵管にステントを留置するPancreaticoenterostomyと,膵管・消化管吻合部まで誘導したガイドワイヤ下に順向性にステントを留置するTransenteric antegrade stentingに分けられる.これまでにInterventional EUSによる術後膵管吻合部閉塞に対して113例の報告がなされている.このうち74例がDrainage technique, 39例がRendezvous techniqueである.全体での手技成功率は76.1%(45~100),臨床効果は91.7%(50~100),偶発症率は20.3%(0~33)である.手技成功率は比較的高く,臨床効果は満足する成績であるが,手技難易度,偶発症率は高く,時に重症となることが問題である.さらに,長期成績についても明らかではない点も多く,今後さらなる症例の蓄積による検討が必要である. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.30.183 |