てんかん合併妊娠58例の検討
てんかん合併妊娠の周産期管理の課題を明らかとするため,2014年から5年間に当センターで分娩した15, 344例のうち,てんかん合併妊娠58例(0.38%)を抗てんかん薬の服薬状況に基づき4群に分け,周産期予後を後方視的に解析した. 4群の内訳は,a群(服薬あり怠薬)22例,b群(服薬あり怠薬あり)4例,c群(服薬妊娠判明後中止)1例,d群(服薬妊娠前から)31例であった.分娩週数・出血量・児体重・Apgar score,臍帯血pHに有意な差はなかった.妊娠中の発作は13例(22.4%)で認め,怠薬した症例などにみられた.バルプロ酸が必須の患者では妊娠判明後の薬剤変更が発作原因となる可能性があ...
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Published in | 日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 57; no. 1; pp. 91 - 97 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
2021
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Subjects | |
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ISSN | 1348-964X 2435-4996 |
DOI | 10.34456/jjspnm.57.1_91 |
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Summary: | てんかん合併妊娠の周産期管理の課題を明らかとするため,2014年から5年間に当センターで分娩した15, 344例のうち,てんかん合併妊娠58例(0.38%)を抗てんかん薬の服薬状況に基づき4群に分け,周産期予後を後方視的に解析した. 4群の内訳は,a群(服薬あり怠薬)22例,b群(服薬あり怠薬あり)4例,c群(服薬妊娠判明後中止)1例,d群(服薬妊娠前から)31例であった.分娩週数・出血量・児体重・Apgar score,臍帯血pHに有意な差はなかった.妊娠中の発作は13例(22.4%)で認め,怠薬した症例などにみられた.バルプロ酸が必須の患者では妊娠判明後の薬剤変更が発作原因となる可能性があった.母乳育児は混合を含めると55例(94.8%)が行っていた. 妊娠前から母児の影響を考慮した薬剤の選択と,本人が妊娠中の発作コントロールの重要性を十分に理解することが重要である. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.57.1_91 |