ステロイドと抗結核薬により軽快した結核起因性血球貪食症候群の1例

背景.結核症に伴う血球貪食症候群は比較的稀な病態であり,致死率が高い.症例.70歳,男性.縦隔リンパ節および肺門部リンパ節腫大に対し,他院で超音波気管支鏡ガイド下経気管支針生検が行われた.採取された検体のZiehl-Neelsen染色が陽性で,PCR検査で縦隔リンパ節結核と診断されたため,当院に紹介された.入院後,末梢血および骨髄で血球貪食像を認め,血球貪食症候群と診断,ステロイドと抗結核薬による治療が開始された.良好な経過で治療開始から7週間後に退院した.結論.ステロイドと抗結核薬の併用療法により軽快した,結核起因性血球貪食症候群の1例を経験した.超音波気管支鏡ガイド下経気管支針生検が,縦隔...

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Published in気管支学 Vol. 41; no. 2; pp. 176 - 180
Main Authors 川口, 健太郎, 秦, 雄介, 河瀬, 成穂, 堀田, 尚克, 栗林, 忠弘, 松本, 理恵, 今井, 茂郎, 塩田, 雄太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.03.2019
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:背景.結核症に伴う血球貪食症候群は比較的稀な病態であり,致死率が高い.症例.70歳,男性.縦隔リンパ節および肺門部リンパ節腫大に対し,他院で超音波気管支鏡ガイド下経気管支針生検が行われた.採取された検体のZiehl-Neelsen染色が陽性で,PCR検査で縦隔リンパ節結核と診断されたため,当院に紹介された.入院後,末梢血および骨髄で血球貪食像を認め,血球貪食症候群と診断,ステロイドと抗結核薬による治療が開始された.良好な経過で治療開始から7週間後に退院した.結論.ステロイドと抗結核薬の併用療法により軽快した,結核起因性血球貪食症候群の1例を経験した.超音波気管支鏡ガイド下経気管支針生検が,縦隔リンパ節結核の診断に有用であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.41.2_176