緊急胸腔鏡下肺部分切除術を行った妊婦の1例

症例は37歳の女性.妊娠30週時に左自然気胸を発症,胸腔ドレーンを挿入したが呼吸苦が改善せず入院同日に胸腔鏡下肺部分切除術(VATS)を施行した.周術期に低酸素血症をきたしたが母体・胎児ともに異常は認めず経過は良好であり,妊娠38週で経腟分娩にて健児を出産した.妊婦の自然気胸治療に関する明確なガイドラインはなく,保存的治療を行い分娩後に手術という待期的な方法を勧める報告が多い.しかし,肺の酸素化不良による母体・胎児への悪影響が予測される場合には早期手術を考慮してもよいと考えられた....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 32; no. 7; pp. 929 - 933
Main Authors 今石, 美緒, 柴山, 愛子, 志賀, 洋介, 稲田, 耕三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2012
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.32.929

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Summary:症例は37歳の女性.妊娠30週時に左自然気胸を発症,胸腔ドレーンを挿入したが呼吸苦が改善せず入院同日に胸腔鏡下肺部分切除術(VATS)を施行した.周術期に低酸素血症をきたしたが母体・胎児ともに異常は認めず経過は良好であり,妊娠38週で経腟分娩にて健児を出産した.妊婦の自然気胸治療に関する明確なガイドラインはなく,保存的治療を行い分娩後に手術という待期的な方法を勧める報告が多い.しかし,肺の酸素化不良による母体・胎児への悪影響が予測される場合には早期手術を考慮してもよいと考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.32.929