ドロペリドールの静脈内間欠投与では生じなかったが,持続硬膜外投与により錐体外路症状を発症した1例

29歳卵巣癌患者の2回の全身麻酔下開腹手術に際し,術後悪心・嘔吐予防のためドロペリドールを投与した.1回目は,術中の静脈内単回投与(1.25mg),術後に経静脈的患者自己調節鎮痛法で間欠投与(術後3日目まで計10mg)を行った.2回目は,術中に静脈内単回投与(1.25mg),術後に持続硬膜外投与(術後2日目まで計3.53mg)を行った.1回目の術後には錐体外路症状が出現しなかったが,2回目の術後に錐体外路症状が出現した.ドロペリドール硬膜外投与は,静脈内投与に比べてより少量で錐体外路症状を発症する可能性がある....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 39; no. 2; pp. 131 - 134
Main Authors 黒田, ジュリオ健司, 白神, 豪太郎, 岡部, 悠吾, 植村, 直哉, 喜多條, 真穂, 武田, 敏宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.03.2019
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.39.131

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Summary:29歳卵巣癌患者の2回の全身麻酔下開腹手術に際し,術後悪心・嘔吐予防のためドロペリドールを投与した.1回目は,術中の静脈内単回投与(1.25mg),術後に経静脈的患者自己調節鎮痛法で間欠投与(術後3日目まで計10mg)を行った.2回目は,術中に静脈内単回投与(1.25mg),術後に持続硬膜外投与(術後2日目まで計3.53mg)を行った.1回目の術後には錐体外路症状が出現しなかったが,2回目の術後に錐体外路症状が出現した.ドロペリドール硬膜外投与は,静脈内投与に比べてより少量で錐体外路症状を発症する可能性がある.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.39.131