手術室の医療事故に対する医療刑事裁判の状況

平成11(1999)年以降平成21(2009)年までの医療事故に対する医療刑事裁判83例のうち手術室での医療事故25例を検討した.簡易裁判所ではなく,地方裁判所に起訴される率は,手術室での事故は11例(44%)で全医療刑事裁判と比較して高かった.手術室での事例では,36名が被告人となりそのうち医師は32名(89%)であった.刑事訴訟に至った手術室での事故の原因は,医療の質に関するものが21例(84%)であった.最近の医療に関する刑事裁判は判決まで長期間を要しているが,公判により無罪となる判決が出てきたことは注目するべきである....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 32; no. 7; pp. 985 - 993
Main Authors 木内, 淳子, 江原, 一雅, 瀬尾, 憲正, 野坂, 修一, 水谷, 渉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2012
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Summary:平成11(1999)年以降平成21(2009)年までの医療事故に対する医療刑事裁判83例のうち手術室での医療事故25例を検討した.簡易裁判所ではなく,地方裁判所に起訴される率は,手術室での事故は11例(44%)で全医療刑事裁判と比較して高かった.手術室での事例では,36名が被告人となりそのうち医師は32名(89%)であった.刑事訴訟に至った手術室での事故の原因は,医療の質に関するものが21例(84%)であった.最近の医療に関する刑事裁判は判決まで長期間を要しているが,公判により無罪となる判決が出てきたことは注目するべきである.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.32.985