気道確保困難対策ガイドラインは本当に役立つか? ─新たなガイドラインに望むこと

「気道確保が困難な症例での気道確保法」の適切なガイドラインを策定する上での問題点として,気道確保困難の原因が多種多様,換気困難の原因の多くは不明,気道確保操作自体により気道確保困難を引き起こし得る,致死的誤嚥性肺炎と食道挿管が合併する,エビデンスに基づく気道確保法が確立されていない,などがある.改善点として,気道確保困難と誤嚥が予測される場合の適切な対処法,覚醒下挿管時の適切な鎮静薬,鎮痛薬の種類と投与量,“レスキュー”器具としての声門上器具をどの時点で使うべきか,“最終手段である”経皮輪状甲状間膜カニューラ穿刺が無効のときにどうするか,などのより具体的な考え方を示すべきであろう....

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Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 35; no. 3; pp. 387 - 392
Main Author 浅井, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.05.2015
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.35.387

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Summary:「気道確保が困難な症例での気道確保法」の適切なガイドラインを策定する上での問題点として,気道確保困難の原因が多種多様,換気困難の原因の多くは不明,気道確保操作自体により気道確保困難を引き起こし得る,致死的誤嚥性肺炎と食道挿管が合併する,エビデンスに基づく気道確保法が確立されていない,などがある.改善点として,気道確保困難と誤嚥が予測される場合の適切な対処法,覚醒下挿管時の適切な鎮静薬,鎮痛薬の種類と投与量,“レスキュー”器具としての声門上器具をどの時点で使うべきか,“最終手段である”経皮輪状甲状間膜カニューラ穿刺が無効のときにどうするか,などのより具体的な考え方を示すべきであろう.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.35.387