重篤な経過をたどった高用量ステロイド依存性ネフローゼ症候群の1例

「はじめに」今回われわれは, 重篤な経過をたどった高用量ステロイド依存性ネフローゼ症候群で, 腎機能が保持されている時期に積極的治療を断念し維持腹膜透析に移行した1例を経験したので報告する. 「症例」症例:18歳, 男児. 主訴:ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の精査加療目的. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:3歳時に浮腫, 乏尿にて前医受診し, 蛋白尿を認めネフローゼ症候群と診断された. ステロイドの内服を開始されるも尿蛋白消失せず, ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群としてシクロフォスファミド(以下, CPM)を処方された. その後, いったん蛋白尿は消失したものの, 再びネフローゼ症...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 20; no. 1; pp. 35 - 37
Main Authors 野津, 寛大, 貝藤, 裕史, 松尾, 雅文, 神田, 杏子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2007
日本小児腎臓病学会
Subjects
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ISSN0915-2245
1881-3933
DOI10.3165/jjpn.20.35

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Summary:「はじめに」今回われわれは, 重篤な経過をたどった高用量ステロイド依存性ネフローゼ症候群で, 腎機能が保持されている時期に積極的治療を断念し維持腹膜透析に移行した1例を経験したので報告する. 「症例」症例:18歳, 男児. 主訴:ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の精査加療目的. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:3歳時に浮腫, 乏尿にて前医受診し, 蛋白尿を認めネフローゼ症候群と診断された. ステロイドの内服を開始されるも尿蛋白消失せず, ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群としてシクロフォスファミド(以下, CPM)を処方された. その後, いったん蛋白尿は消失したものの, 再びネフローゼ症候群の再発を繰り返したため, 5歳時に精査加療目的にて当院紹介受診, 入院となった. 当院入院後経過:当院入院後腎生検を施行し, 巣状糸球体硬化症(以下, FSGS)と診断した. 入院時よりシクロスポリン(以下, CyA)を導入したが, CyA内服後も頻回再発を認めた.
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.20.35