肺癌手術後に急性増悪をきたし顕在化した特発性間質性肺炎の1例

検診にて肺癌が見つかり,右下葉に対して胸腔鏡下区域切除術を施行した78歳男性で,術前診断のついていなかった潜在的な特発性間質性肺炎が術後4日目より急性増悪をきたし肺炎の寛解,悪化を繰り返したのちに結果として救命できなかった症例を経験した.手術対象となる肺癌患者のうち,顕性,不顕性にかかわらず数%はなんらかの間質性肺炎を合併しており,肺癌術後の手術関連死亡の原因としては間質性肺炎の急性増悪が約四分の一を占め最も多いことを認識して麻酔科医として周術期管理に当たるべきである....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 37; no. 5; pp. 585 - 590
Main Authors 松田, 知之, 山根, 毅郎, 森下, 洋子, 森, 麻衣子, 原, 美紗子, 橋本, 壮志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.09.2017
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.37.585

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Summary:検診にて肺癌が見つかり,右下葉に対して胸腔鏡下区域切除術を施行した78歳男性で,術前診断のついていなかった潜在的な特発性間質性肺炎が術後4日目より急性増悪をきたし肺炎の寛解,悪化を繰り返したのちに結果として救命できなかった症例を経験した.手術対象となる肺癌患者のうち,顕性,不顕性にかかわらず数%はなんらかの間質性肺炎を合併しており,肺癌術後の手術関連死亡の原因としては間質性肺炎の急性増悪が約四分の一を占め最も多いことを認識して麻酔科医として周術期管理に当たるべきである.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.37.585