簡易懸濁法に用いる懸濁器具の比較とストロメクトールⓇ錠の投与量に及ぼす影響

「緒言」疥癬はヒト皮膚角質層にヒゼンダニ (疥癬虫, Sarcoptes scabiei var. hominis) が寄生することで発症し, その虫体や排泄物などに対するアレルギー反応による皮膚病変と掻痒を主症状とする皮膚感染症である. 本邦の疥癬の治療薬として現在, 保険適用となっている薬剤は外用薬ではフェノトリン, イオウ, 内服薬ではイベルメクチンのみである. 外用薬は, 頸部以下の皮疹のない部分を含めた全身に塗布しなければならないため, 患者および医療従事者の負担となっている. 2014年にスミスリンローション(R)5% (一般名 : フェノトリン) が外用の疥癬治療薬として承認され...

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Published in医療薬学 Vol. 45; no. 2; pp. 88 - 96
Main Authors 尾関, 理恵, 湯浅, 奈絵, 赤木, 圭太, 真野, 泰成, 根岸, 健一, 小茂田, 昌代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.02.2019
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」疥癬はヒト皮膚角質層にヒゼンダニ (疥癬虫, Sarcoptes scabiei var. hominis) が寄生することで発症し, その虫体や排泄物などに対するアレルギー反応による皮膚病変と掻痒を主症状とする皮膚感染症である. 本邦の疥癬の治療薬として現在, 保険適用となっている薬剤は外用薬ではフェノトリン, イオウ, 内服薬ではイベルメクチンのみである. 外用薬は, 頸部以下の皮疹のない部分を含めた全身に塗布しなければならないため, 患者および医療従事者の負担となっている. 2014年にスミスリンローション(R)5% (一般名 : フェノトリン) が外用の疥癬治療薬として承認されたが, 内服薬としてはストロメクトール(R)錠3mg (一般名 : イベルメクチン) のみであり, その有効性の高さに加え, 利便性にも優れていることから現在, 疥癬治療に繁用されている. 疥癬は免疫力の低下した高齢者などに多く発症する.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.45.88