気道内で隆起性病変を見た時に―アプローチ方法も含めて

「1. はじめに」近年, CT検査の普及により, 肺末梢小型病変が多く発見されている. また, 肺癌診療におけるゲノム解析に対応すべく, 末梢病変や縦隔リンパ節に対して, 気管支鏡でいかに大きく組織をとるかということに関心が寄せられている. 一方で, 可視範囲に隆起性病変を見た際に, どのように所見をとらえ, どのような鑑別診断を挙げ, どのように組織学的診断をするのか不確かなこともある. 本稿では, 気管支鏡を握り始めた先生方が, 気道内で隆起性病変を観察した時にどのように所見をとらえ, 組織診断していくのかについて解説したい. 「2. 気管支鏡観察時に必要な解剖学」正常肺内気管支は, 気道...

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Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 42; no. 6; pp. 552 - 557
Main Author 立原, 素子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.11.2020
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.42.6_552

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Summary:「1. はじめに」近年, CT検査の普及により, 肺末梢小型病変が多く発見されている. また, 肺癌診療におけるゲノム解析に対応すべく, 末梢病変や縦隔リンパ節に対して, 気管支鏡でいかに大きく組織をとるかということに関心が寄せられている. 一方で, 可視範囲に隆起性病変を見た際に, どのように所見をとらえ, どのような鑑別診断を挙げ, どのように組織学的診断をするのか不確かなこともある. 本稿では, 気管支鏡を握り始めた先生方が, 気道内で隆起性病変を観察した時にどのように所見をとらえ, 組織診断していくのかについて解説したい. 「2. 気管支鏡観察時に必要な解剖学」正常肺内気管支は, 気道内腔より, 上皮層, 上皮下層, 筋層, 筋外層, 軟骨層, 軟骨周囲層の6層からなる. しばしば組織解剖学的層別用語と内視鏡的層別用語が混同されがちであるため, その対比を表1に示す.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.42.6_552