胆嚢隆起性病変の評価における経腹壁3Dエコーの有用性に関する検討

経腹壁超音波検査は簡便であり胆嚢病変の検査における第一選択となる.近年,腹部領域での3Dエコー技術が進歩し注目されている.当院で5mm以上の胆嚢隆起性病変に対して経腹壁3Dエコーを行った21例を対象として,通常観察所見に加えて3D画像を評価し,診断に寄与する所見を検討した.最終診断は胆嚢癌2例,良性ポリープ19例であった.通常観察所見では胆嚢癌は有意に大きく(21.5mm vs. 8mm,P = 0.019),表面構造と内部点状高エコーの有無において癌と良性ポリープで有意差を認めた(P = 0.001,P = 0.029).3Dエコーではいずれの病変も明瞭に描出可能であり,特に最大径の計測およ...

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Published in胆道 Vol. 34; no. 2; pp. 145 - 152
Main Authors 石川, 卓哉, 川嶋, 啓揮, 大野, 栄三郎, 飯田, 忠, 西尾, 亮, 鈴木, 博貴, 植月, 康太, 八鹿, 潤, 山田, 健太, 芳川, 昌功, 宜保, 憲明, 藤城, 光弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2020
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Summary:経腹壁超音波検査は簡便であり胆嚢病変の検査における第一選択となる.近年,腹部領域での3Dエコー技術が進歩し注目されている.当院で5mm以上の胆嚢隆起性病変に対して経腹壁3Dエコーを行った21例を対象として,通常観察所見に加えて3D画像を評価し,診断に寄与する所見を検討した.最終診断は胆嚢癌2例,良性ポリープ19例であった.通常観察所見では胆嚢癌は有意に大きく(21.5mm vs. 8mm,P = 0.019),表面構造と内部点状高エコーの有無において癌と良性ポリープで有意差を認めた(P = 0.001,P = 0.029).3Dエコーではいずれの病変も明瞭に描出可能であり,特に最大径の計測および基部,表面構造,多発病変の有無についての認識が容易となった.胆嚢隆起性病に対する経腹壁3Dエコーは病変の形態認識を容易にし,超音波診断において補助的役割を果たす.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.34.145