卵巣囊腫茎捻転を疑われ,術中所見から傍卵管囊腫に伴う卵管捻転と診断された1例

症例は13歳女児.左下腹部痛と頻回の嘔吐で発症翌日に前医を受診した.CTで骨盤内に囊胞性病変を指摘され,卵巣囊腫茎捻転を疑われ同日当院へ救急搬送となった.エコー・CT検査より左下腹部から膀胱頭側にかけて径10 cmの充実成分のない多房性囊胞性病変を認め,囊胞成分はecho freeで鏡面形成は認められなかった.腹水を少量認め,卵巣囊腫茎捻転を疑い同日緊急手術を施行した.術中所見で左卵管より突出した囊腫と360°反時計方向の左卵管捻転を認めた.左卵巣の血流障害は認められず,左傍卵管囊腫に伴う卵管捻転と診断し囊腫核出術を施行した.術後経過は良好であり特に合併症を認めず術後7日目に退院となった.今回...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 55; no. 2; pp. 259 - 263
Main Authors 嶋村, 藍, 田尻, 達郎, 井岡, 笑子, 古川, 泰三, 富樫, 佑一, 東, 真弓, 青井, 重善, 坂井, 宏平, 文野, 誠久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.04.2019
日本小児外科学会
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.55.2_259

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Summary:症例は13歳女児.左下腹部痛と頻回の嘔吐で発症翌日に前医を受診した.CTで骨盤内に囊胞性病変を指摘され,卵巣囊腫茎捻転を疑われ同日当院へ救急搬送となった.エコー・CT検査より左下腹部から膀胱頭側にかけて径10 cmの充実成分のない多房性囊胞性病変を認め,囊胞成分はecho freeで鏡面形成は認められなかった.腹水を少量認め,卵巣囊腫茎捻転を疑い同日緊急手術を施行した.術中所見で左卵管より突出した囊腫と360°反時計方向の左卵管捻転を認めた.左卵巣の血流障害は認められず,左傍卵管囊腫に伴う卵管捻転と診断し囊腫核出術を施行した.術後経過は良好であり特に合併症を認めず術後7日目に退院となった.今回我々は卵巣囊腫茎捻転疑いで緊急手術を行い,術中所見から傍卵管囊腫に伴う卵管捻転と診断した1例を経験した.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.55.2_259