化学放射線療法により10年以上の長期生存が得られた切除不能局所進行膵癌の1例
症例は65歳,男性.健診でCA19-9高値を指摘されて受診した.CTで膵頭部に5.0cm大の乏血性腫瘍を認め,EUS-FNAにより膵癌と診断した.腹腔動脈に進展し門脈に浸潤を認めたことから切除不能な局所進行膵癌であり,gemcitabine(GEM),S-1を併用した化学放射線療法を施行し,その後はGEM単剤で化学療法を継続した.治療開始から1年4ヶ月後には原発巣は指摘困難な程度まで縮小し,2年後のPETでは同部位に集積を認めなかった.約5年後に肺転移が出現したため,S-1,GEM+5-FU+CDDP,GEM+CDDP+S-1を順に施行したが肺転移は緩徐に進行した.約10年後には皮膚転移,原発...
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Published in | 膵臓 Vol. 31; no. 6; pp. 841 - 848 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本膵臓学会
25.12.2016
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Subjects | |
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Summary: | 症例は65歳,男性.健診でCA19-9高値を指摘されて受診した.CTで膵頭部に5.0cm大の乏血性腫瘍を認め,EUS-FNAにより膵癌と診断した.腹腔動脈に進展し門脈に浸潤を認めたことから切除不能な局所進行膵癌であり,gemcitabine(GEM),S-1を併用した化学放射線療法を施行し,その後はGEM単剤で化学療法を継続した.治療開始から1年4ヶ月後には原発巣は指摘困難な程度まで縮小し,2年後のPETでは同部位に集積を認めなかった.約5年後に肺転移が出現したため,S-1,GEM+5-FU+CDDP,GEM+CDDP+S-1を順に施行したが肺転移は緩徐に進行した.約10年後には皮膚転移,原発巣の増悪に伴うと思われる十二指腸出血を来し,初診から10年7ヶ月で癌死した. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.31.841 |