新生児糖尿病に対してインスリン持続皮下注射と持続血糖モニタリングで管理した超低出生体重児の一例

新生児糖尿病は生後6カ月未満に発症する糖尿病であり,インスリン治療を必要とする.一方,未熟な耐糖能から高血糖が懸念される超低出生体重児に対するインスリンによる積極的な介入は,低血糖のおそれもある.今回,我々は在胎29週4日,出生体重607gの超低出生体重児で,出生後早期から高血糖が持続し新生児糖尿病と診断した症例を経験した.持続血糖モニタリングとインスリン持続皮下注射を用いて血糖管理を行った.血糖コントロールに難渋したが,大きな合併症なく修正月齢2カ月で退院することが可能であった.退院後は成長とともに徐々に血糖値が改善傾向となったことを確認した.修正月齢18カ月時点で言語発達はややゆっくりでは...

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Published in日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 59; no. 2; pp. 239 - 244
Main Authors 落合, 加奈代, 水谷, 謙介, 大城, 誠, 西門, 優一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会 2023
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ISSN1348-964X
2435-4996
DOI10.34456/jjspnm.59.2_239

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Summary:新生児糖尿病は生後6カ月未満に発症する糖尿病であり,インスリン治療を必要とする.一方,未熟な耐糖能から高血糖が懸念される超低出生体重児に対するインスリンによる積極的な介入は,低血糖のおそれもある.今回,我々は在胎29週4日,出生体重607gの超低出生体重児で,出生後早期から高血糖が持続し新生児糖尿病と診断した症例を経験した.持続血糖モニタリングとインスリン持続皮下注射を用いて血糖管理を行った.血糖コントロールに難渋したが,大きな合併症なく修正月齢2カ月で退院することが可能であった.退院後は成長とともに徐々に血糖値が改善傾向となったことを確認した.修正月齢18カ月時点で言語発達はややゆっくりではあるが明らかな発達遅滞は認めていない.早産低出生体重児に合併した新生児糖尿病に対するインスリン持続皮下注射の有用性や長期予後の検討に関しては今後の症例の蓄積が必要である.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.59.2_239