菌血症患者に対するICT専任の認定薬剤師による介入の影響
「緒言」血流感染症は細菌や真菌などの病原体が血流に侵入し全身を循環する疾患である. そのため, 血流感染症の起因菌によっては, 血流を介して細菌が当初の感染巣以外の遠隔部位に新たな感染巣を形成し, 心内膜炎や髄膜炎, 膿瘍などの重篤な転移性感染症を合併することがある. 血流感染症に対する経験的治療における不適切な抗菌薬選択は, 転移性感染症の合併率を高め, 救急外来や血液培養陽性時では死亡率を増加させることが報告されている. さらに, 感受性結果が判明した後も不適切な抗菌薬が継続された場合には死亡率が増加することも報告されている. 従って, 血流感染症に対する不適切な抗菌薬治療は喫緊の課題とな...
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Published in | 医療薬学 Vol. 48; no. 8; pp. 350 - 357 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.08.2022
日本医療薬学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.48.350 |
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Summary: | 「緒言」血流感染症は細菌や真菌などの病原体が血流に侵入し全身を循環する疾患である. そのため, 血流感染症の起因菌によっては, 血流を介して細菌が当初の感染巣以外の遠隔部位に新たな感染巣を形成し, 心内膜炎や髄膜炎, 膿瘍などの重篤な転移性感染症を合併することがある. 血流感染症に対する経験的治療における不適切な抗菌薬選択は, 転移性感染症の合併率を高め, 救急外来や血液培養陽性時では死亡率を増加させることが報告されている. さらに, 感受性結果が判明した後も不適切な抗菌薬が継続された場合には死亡率が増加することも報告されている. 従って, 血流感染症に対する不適切な抗菌薬治療は喫緊の課題となる. 2007年に, 米国感染症学会(Infectious Disease Society of America: IDSA), 米国医療疫学学会(Society for Healthcare Epidemiology of America: SHEA)からantimicrobial stewardship(AMS)のガイドラインが公表され, 2016年にはantimicrobial stewardship programのガイドラインが公表された. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.48.350 |