茨城県常総市鬼怒川水害ならびに熊本地震における避難所DVT検診の経験

周辺住民に甚大な被害をもたらした平成27年9月関東・東北豪雨による茨城県常総市鬼怒川決壊による水害ならびに,最大18万名にのぼる被災者が避難生活を余儀なくされた平成28年熊本地震においては,ともに指定避難所が発災後速やかに開設されている.平成16年新潟県中越地震の際に避難生活と震災関連死としての静脈血栓塞栓症の関係が指摘されて以降,さまざまな災害の避難所で深部静脈血栓症の検診が行われており,今回両災害の避難所でも血管エコーを用いた検診が行われた.各避難所を巡回し,希望者を集い生活スペースもしくは場所を借り,問診・血圧などの測定・血管エコー検査・弾性ストッキング配布を行った.災害大国と呼ばれる日...

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Published in静脈学 Vol. 28; no. 1; pp. 49 - 53
Main Authors 相川, 志都, 榛沢, 和彦, 平松, 祐司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 31.03.2017
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Summary:周辺住民に甚大な被害をもたらした平成27年9月関東・東北豪雨による茨城県常総市鬼怒川決壊による水害ならびに,最大18万名にのぼる被災者が避難生活を余儀なくされた平成28年熊本地震においては,ともに指定避難所が発災後速やかに開設されている.平成16年新潟県中越地震の際に避難生活と震災関連死としての静脈血栓塞栓症の関係が指摘されて以降,さまざまな災害の避難所で深部静脈血栓症の検診が行われており,今回両災害の避難所でも血管エコーを用いた検診が行われた.各避難所を巡回し,希望者を集い生活スペースもしくは場所を借り,問診・血圧などの測定・血管エコー検査・弾性ストッキング配布を行った.災害大国と呼ばれる日本において避難所生活を必要とする大災害発生リスクは大変高く,減災の視点に立てば災害関連死の原因となる肺塞栓症を予防するための避難所検診は非常に意義深いと考えられた.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.16-38