分娩外傷に伴う右大腿骨遠位骨端線損傷の一例

分娩骨折の発生頻度は1%未満であり,鎖骨骨折の頻度が最も高く,そのほかの部位では上腕骨や大腿骨の骨幹部に発生することが知られている1).今回,骨盤位のため選択的帝王切開術で出生後,右下肢の腫脹,自動運動の低下を認め,MRI検査で右大腿骨遠位骨端線損傷と診断し,非観血的治療で治癒した一例を経験した.骨端線損傷の場合,後遺症を残す例もある2)ので,早期の診断と治療が良好な予後につながり得る.診断にはMRI検査が有用であると考えられた.新生児の大腿骨遠位骨端線損傷は稀であり,過去の報告例と自験例を比較し考察する....

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Published in日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 57; no. 3; pp. 531 - 534
Main Authors 山本, 正仁, 小豆澤, 敬幸, 榎本, 早也香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会 2021
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ISSN1348-964X
2435-4996
DOI10.34456/jjspnm.57.3_531

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Summary:分娩骨折の発生頻度は1%未満であり,鎖骨骨折の頻度が最も高く,そのほかの部位では上腕骨や大腿骨の骨幹部に発生することが知られている1).今回,骨盤位のため選択的帝王切開術で出生後,右下肢の腫脹,自動運動の低下を認め,MRI検査で右大腿骨遠位骨端線損傷と診断し,非観血的治療で治癒した一例を経験した.骨端線損傷の場合,後遺症を残す例もある2)ので,早期の診断と治療が良好な予後につながり得る.診断にはMRI検査が有用であると考えられた.新生児の大腿骨遠位骨端線損傷は稀であり,過去の報告例と自験例を比較し考察する.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.57.3_531